メニュー

コラム

お知らせ

【ボトックス療法コラム】ボトックスと筋肉の緊張:痙縮(けいしゅく)に対する治療効果とは

「手足が突っ張って動かしにくい」「力を抜いても筋肉が固くなっている」このよ
うな症状に悩まされていませんか? それは「痙縮(けいしゅく)」と呼ばれる筋肉の緊張異常かもしれません。
痙縮に対する治療法のひとつとして注目されているのが「ボトックス注射(ボツリヌス療法)」です。
このコラムでは、痙縮の原因・症状、そしてボトックス治療の効果やメリットについて、分かりやすく解説します。

痙縮(けいしゅく)とは?
痙縮とは、脳や脊髄の障害によって筋肉の緊張が高まり、意図しない筋収縮が起きてしまう状態のことを指します。
たとえば以下のような疾患後に見られます。
・脳卒中(脳梗塞・脳出血)後
・脊髄損傷
・脳性麻痺
・多発性硬化症
・外傷性脳損傷 など

痙縮の主な症状
・手足がつっぱる
・指や腕が内側に曲がる
・歩きにくくなる
・痛みや不快感がある
・日常生活動作(食事・着替えなど)が困難になる
これらの症状は、リハビリの妨げになるだけでなく、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。

痙縮に対する治療方法
痙縮に対する治療は、症状の程度や原因疾患によって異なります。主な治療法には次のようなものがあります。
・リハビリテーション(ストレッチ、装具、理学療法など)
・内服薬(筋弛緩薬や抗痙縮薬)
・外科的治療(重度の場合)
・ボトックス注射(局所的治療)
この中でも、「限られた筋肉だけが強く緊張しているケース」では、ボトックス治療が特に有効です。

ボトックス注射とは?
ボトックスとは、ボツリヌス毒素(A型)を利用した筋肉の緊張を抑える治療法です。
もともとは眼瞼けいれんや顔面けいれん、斜頸などの治療に使われていましたが、現在では痙縮治療にも保険適用されています。

ボトックスの働き
・過剰に緊張している筋肉に注射
・筋肉の神経伝達を一時的にブロック
・緊張をやわらげ、関節可動域を広げる
・動かしやすくなり、リハビリの効果もアップ

ボトックス治療のメリット
ボトックスによる痙縮治療には、以下のような利点があります。
・ 対象の筋肉だけをピンポイントで緩められる
・ 服薬による全身性の副作用が少ない
・ 効果が数か月持続する(通常3〜4か月)
・ リハビリと併用することで、より効果的
・ 注射の回数は年に数回でOK

治療の流れ(当院の場合)
診察・評価
 筋緊張の程度や日常生活での支障を評価します。必要に応じて超音波を使用します。

治療方針の決定
 どの筋肉に注射するかを決定し、ボトックスの用量も調整します。

注射
 細い針で筋肉にボトックスを注射します。痛みは個人差がありますが、極端に強いものではありません。

リハビリの実施
 効果を高めるため、注射後1~2週間のリハビリが重要です。

よくある質問(Q&A)

Q. ボトックスは安全ですか?
→ 日本国内で認可された製剤を使用しており、安全性は確立されています。副作用もまれです。

Q. 効果が切れたらどうなるの?
→ 3〜4か月ほどで効果が徐々に弱まり、必要に応じて再注射が可能です。

痙縮は、放っておくと関節の変形や拘縮(こうしゅく)を引き起こし、動かなくなる可能性があります。しかし、適切な時期にボトックス注射などの治療を行えば、症状の改善や生活の質向上が期待できます。脳卒中後少しでも早い時期の注射が効果的です。

当院のボトックス外来では、痙縮治療の専門医が診察・評価・治療までトータルで対応しています。
「手足の緊張がつらい」「リハビリがうまく進まない」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。