膠原病とは
膠原病(こうげんびょう)とは、体を守るはずの免疫の働きが活発になり、自分自身の体を攻撃してしまう病気です。関節、肺、皮膚、筋肉、腎臓など、体のさまざまな部位にダメージが出るのが特徴です。
膠原病内科では、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛症、シェーグレン症候群、特発性炎症性筋疾患、強皮症、血管炎、乾癬性関節炎強直性脊椎炎、などの病気を専門的に診療しています。
中には、肺や腎臓など内臓にダメージを起こす場合もあり、早期発見・治療が重要です。気になる症状がありましたら、早めにご相談ください。

当院の膠原病リウマチ内科について
当院では最新の診断と治療方針に基づいて、膠原病による体へのダメージを最小限に抑えつつ、一方でステロイド使用量を最小限にするなど薬の副作用にも気を払い、患者さま一人ひとりに合わせたきめ細かな診療をおこなっています。
診療内容
・血液検査(自己抗体測定)、尿検査、X線検査を使用した、膠原病の初期診断
・膠原病患者さまの、生物学的製剤を含めた継続治療、定期的なフォロー
・必要に応じた産業医科大学など高度医療機関との連携
・他科、他院と連携したチーム医療
担当医からのメッセージ
「自分がリウマチや膠原病かもしれないと心当たりがありながら、病院に行けずに日々生活されている方々はきっと多いことと思います。当院では、わかりやすい説明と丁寧な診察を心がけ、患者さまの不安に寄り添った診療を行っています。ご相談だけの受診も可能ですので、安心してお越しください。」
受診のご案内
・診療日:金曜日(完全予約制)
・診療時間:8時30分~12時30分
・担当医:勝又(~2025年9月)、野原(2025年10月~)
・予約方法:お電話で承ります
治療について
関節リウマチ(RA)
手の指や手、肘、肩、膝関節などを中心に痛みと腫れ、朝のこわばり(指の動かしにくさ)が起きます。ペットボトルのふたが開けにくいと仰る方が多いです。発症後すぐに治療すれば、痛みが取れるだけでなく、関節が変形するのを予防でき、日常生活が難しくなることも予防できます。しかし放っておいてしまうと、痛みがつづき、関節が変形し、日常生活に支障が出ることがありますし、薬が効きにくくなったり、リウマチ性の肺炎を起こしたりすることもあります。治療にはまず飲み薬を使いますが、皮下注射や点滴の薬を一緒に使うこともあります。以前はステロイドがよく使われましたが、現在では新しい薬の進歩があり、あまり使われなくなっています。
全身性エリテマトーデス(SLE)
人によって起きる症状が大きく変わります。リウマチのような関節痛の方もいらっしゃれば、両頬の赤みの方、けいれん発作やうつ病を起こす方、胸に水がたまり息苦しさを感じる方などさまざまです。健康診断で尿蛋白と言われただけで、ほかに症状がない人もいます。治療も、飲み薬だけで済む方もいらっしゃれば、皮下注射や点滴の薬を一緒に使う必要がある方までさまざまです。
リウマチ性多発筋痛症(PMR)
ある日急に両肩や二の腕、お尻の筋肉痛が起きます。また発熱し、布団から起きられなくなることが多いです。採血では、炎症の数値(CRP)が上がります。多くの場合、ステロイドがよく効き元通りの生活ができるようになりますので、様子を見ながら徐々にステロイドの量を減らしていきます。
シェーグレン症候群(SjS)
唾や涙が出にくくなり、目薬や水筒が手放せなくなる方が多いです。採血でマーカーを調べ、歯科で唾の量を測り、眼科で涙の量を測り、それらの結果をみて診断します。基本的には、目薬や水分で症状を抑えるしかないのですが、一部の人は肺炎、神経炎(手足のしびれなど)を起こしますので、そのような場合は飲み薬、点滴薬で治療することがあります。
全身性強皮症(SSc)
手足を中心に皮膚が固くなります。レイノー現象(寒い日、指が白や紫色に変色します)を起こす方もいらっしゃいます。皮膚症状だけの方は様子をみることもありますが、肺炎や心臓エコーの異常がある方を中心に、飲み薬や点滴薬で治療することもあります。
特発性炎症性筋疾患(IIM)(多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM))
腕や足の筋肉が痛み、力が入らなくなる人が代表的です。一方で筋肉の症状がなく、まぶたや手足の皮膚の赤みで発症される人、肺炎で発症される方、飲み込みの力の低下で発症される方もいらっしゃいます。治療は飲み薬、点滴薬を両方使用することが多いです。
血管炎症候群
人の体には、
①大動脈など大きく太い血管、
②それより細い中間の太さの血管、
③顕微鏡でしか見えない細い血管があります。
免疫が自分自身を攻撃して、これらの血管に炎症を起こすことがあります。治療は飲み薬と点滴薬の両方を使うことが多いです。
① 大きな血管の血管炎には、高安病(TA)や巨細胞性動脈炎(GCA)があり、原因がはっきりしない発熱や体重減少で発症される方が多いです。
② 中間の血管の血管炎には結節性多発動脈炎(PN)があり、こちらでも発熱や体重減少がみられますが、足の皮膚の色が悪くなったり関節痛や筋肉痛も起きたりすることがあります。
③ 細い血管の血管炎には、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、好酸球性多発血管炎性(EGPA)などがあります。こちらでもやはり発熱や体重減少がみられます。手足のしびれや、ふくらはぎに紫色の網目模様が現れることがあります。検査では、採血では炎症の数値が高くなったり、腎臓の数値が急に悪くなったり、尿検査で血尿やタンパク尿が出てきたりすることがあります。肺炎を起こす方もいらっしゃいます。
乾癬性関節炎(PsA)、掌蹠膿疱症性骨関節炎
乾癬という、腕や足などの皮膚にガサガサとした赤く盛り上がる部分ができる病気の方がいらっしゃいます。その方々の一部で、リウマチのような関節の痛みや腫れが起きる方がいらっしゃり、乾癬性関節炎と呼んでいます。乾癬だけであれば塗り薬だけで治療することもありますが、関節炎がある場合は飲み薬や皮下注射薬を始めることで、皮膚の症状と関節の症状の両方がよくなることが期待できます。
強直性脊椎炎(AS)、脊椎関節炎
背骨(脊椎)に炎症が起き、朝方に強い腰痛、背中の痛みが起きる病気です。45歳未満の若い方が多いです。診断には、骨盤のX線検査を行いますが、はっきりしない場合はMRIを撮影することもあります。年月が経つと、背骨の骨どうしが固くつながってしまい、背中の曲げ伸ばしが難しくなることがあります。皮下注射薬や飲み薬で治療します。
線維筋痛症(FMS)
体のあちこちが痛む病気です。疲れ、だるさ、頭痛、不眠、不安、気分の落ち込み、ドライアイやドライマウス、動悸、めまい、ほてり、集中力低下を仰る方が多いです。免疫の異常はないため、免疫を抑える薬での治療はできませんが、痛みに対してはプレガバリン(リリカ)など痛みを抑える薬を使います。
一般外来スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 循環器内科 | 阿武 小野 |
阿武 小野 |
阿武 小野 |
小野 | 阿武 | 阿武 |
脳神経外科 (もの忘れ外来) |
- | - | - | - | - | 亀田 | |
内科 | 藤谷 | 藤谷 | 藤谷 | 名西 | 藤谷 | 藤谷 | |
膠原病内科 | - | - | - | - | 野原 | - | |
皮膚科 | - | - | - | - | 膳所 | - | |
眼科 | - | - | - | 11:00~ 二宮 |
- | - | |
整形外科 | - | - | 横内 | - | - | - | |
午後 | 循環器内科 | 阿武 小野 |
阿武 小野 |
阿武 | - | 阿武 小野 |
- |
脳神経外科 (もの忘れ外来) |
- | - | - | - | 亀田 | - | |
内科 | 藤谷 | 藤谷 阿武雅 |
藤谷 | - | 藤谷 | - |
訪問診療・往診スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
内科 | 亀田 | 亀田 | 亀田 | 亀田 | 亀田 | - |
- | - | - | - | 小野 | - | |
- | 萬納寺 | 萬納寺 | 藤谷 | 萬納寺 | - | |
眼科 | - | - | - | 二宮 | - | - |
整形外科 | - | - | 横内 | - | - | - |
皮膚科 | - | - | - | - | 膳所 | - |
耳鼻咽喉科 | - | - | - | 猿渡 | - | - |
形成外科 | - | - | 森下 | - | - | - |
VE(嚥下内視鏡検査) | - | 村田 | - | - | - | - |
歯科 | 川野 | 川野 | 川野 | 川野 | 川野 | - |
藤本 | 藤本 | 藤本 | 藤本 | 藤本 | - | |
訪問栄養指導 | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |